『黒い錬金術』

やっと買った、種村季弘なのに!
でもって、読みましたが。
えーと、これ、鋼錬の参考資料としてはどうですか。個人的には、パーフェクトガイドの中では『錬金術大全』がお買い得だろうと思うのですが。

ぶっちゃけ、錬金術って、カバーしてる分野がかなり↑広範囲なんですよねぇ。この本の中でも、ゴヤとかゴッホとかクラナッハとかブリューゲルとか(画家)、ピコ・デッラ・ミランドラとかホフマンとかノヴァーリスとかブルトンとかベーメとかが出てきてますが、どんな人物かちらとでもわかんないときついよ!
種村氏は、膨大な資料を抱えてるくせに訳出しやがらねぇ、とは大学時代の恩師I川師の言ですが(そういや、職場の子で、大学で種村氏に独語習ったって子がいたなぁ――いいなぁ)、そういう博覧強記の人にありがちな、「おーい、これ何?」が出てるっぽく。いや、私、わりと知ってる方ですが、上に上げた分だって、結構アヤシイひとの方が多いでしょう、大卒でも。
私自身は非常に面白く読みましたが(ある程度、錬金術の思考回路がわかってるからね)、これは……参考資料というのを素直に信じると、結構辛そうだよね。鋼錬とは世界が違うもん。

澤井繁男氏の著作読んでからなら面白いだろうけど、かなりの知識は要求されますね。
しかし、こんなもん、中高生がメイン読者の漫画の参考資料として載っけるのかよ……(だってあれ、作者の資料ってわけじゃないでしょう?)