今年の総括。

と云うか、久住的Book of the Year?


今年は、これはもう、『復活の地』(小川一水 早川書房)で決まりでしょう。

正直、今でも一水の他の本を読む気はないのですが、その私をしても、この話は良い! と推したくなる一作でした。
しかし、今朝の新聞の一面記事(インド洋沖地震て云うのか?)と云い、中越地震と云い……地震の予感を作家が感じたのか、話が地震を呼んだのか。いずれにしても、今年らしい一冊(三冊本だけどな!)でした。

ちなみに、今年のワーストは、『フェンネル大陸 偽王伝』(高里椎奈 講談社)。近年稀に見る駄作。
ライトノベル完全読本』(日経BP社)で、夢枕獏氏が云っていたとおり、最近の編集は、どうやら何も云わないらしいですね。しかしながら、チェックなしでパーフェクトな作家なんぞほとんど存在しないので、作家諸氏はもっと謙虚に、編集諸氏はもっと勉強して仕事にあたって戴きたいものでございます。

で、今年もっとも印象に残った本は――今年発売のものなら『戦争における殺人の心理』(筑摩書房)、それ以前の刊行なら『江藤淳コレクション』(福田和也/編 筑摩書房)でした。
どちらも、これからの日本を考える手掛りになってくれる本だと思います。興味のある方は、ご一読あれ。

続きはあるけど、帰ってから。今、PHSからなのよ(泣)。