ファンタジー好きのひとにはオススメ。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『ファンタジーランド観光ガイド』(東洋書林)――ホントは著者名まで入ってワンタイトルですが。
この人は、アレだ、今度のジブリの『ハウルの動く城』の原作者です。私は、『ダークホルムの闇の君』しか読んでませんが――そのネタ本。
何が面白いって、ガイドと銘打ってるくせに、「ご利用の手引き」は4Pだけで、あとの270Pばかりはずっと「必携用語集」。しかも、その内容が振るってて、例えば「音楽 … きわめて重要なもので、常に善であり、おそらく魔法でもあり、とくに竪琴で奏でた場合にはその傾向が強い。どうやら闇の王は音痴らしい。……」何だよ、音痴な闇の王って!
とにかく、ファンタジーランド(特定の場所ではなく、FT小説の中のあらゆる土地の総称)には〈規定〉(「お約束」というやつだ)があって、例えばツーリスト(主人公のことですね)が風呂に入っていたり水浴びをしているときには、敵の刺客は襲ってこないことになってるらしい――戦隊ものや昔のヨロイもの(アルじゃなく☆矢とかルーパーあたり)の“変身中、敵はおとなしく待っておき、ポーズをとったところで「おのれ、××!」”っていうアレですな。
そういう“お約束”を茶化しながらの定義づけは、きっとあなたを楽しませてくれるでしょう。――私なんぞ、電車の中で読んでて、何度か吹き出してしまいましたよ(笑)。端から見たら、アヤシイひとだ(苦笑)。
D.W.ジョーンズの話は読んだことがなくても、これは面白いです。オススメ!