初めての小川一水。

1年以上、一水ちゃんを担当してた(早川とハルキでね)のに、今回初めて読みましたよ!
『復活の地』第一巻。全三巻で、2巻目は8月刊ってことは、完結編はマルドゥック・ヴェロシティー(週刊冲方丁!)の頃かな?
正直云って、今回ジャケ買いでした。よくあるんだけど、つか、マルドゥックだってジャケ買い(寺田克也だったんだもん)だったんだけどね!

えーと、うん、面白かったです。いきなり帝都直下型(?)大地震が起こって、皇族とか貴族とか官僚とか、8割がた消えたとこからスタート。謀略渦巻く壊滅した街を、独走したがる陸軍や政治家の駆け引きを潜り抜けながら、セイオ(主人公の名前)は復興させることができるのか!? ってお話。
この主人公のセイオ・ランカベリー(28歳の高級官僚)が好みでね……『喪神の碑』(今なら『三千世界の鴉を殺し』の方がわかるか)のO2みたいなカンジ(鉄灰の髪、データグラスでいつも目元が見えない)で、しかももの云いはきついけど、信念があって。あんまり主役っぽくないのが難ですが(笑)。サブキャラNo.1のソレンス少佐(27歳、天軍所属)の方が、よっぽど主役っぽいよ……
ともあれ、流石は『導きの星』『第六大陸』の小川一水、SF的お膳立てもばっちりです。宇宙船とか、超高速通信デバイスとかが存在してて、“外国”は他の惑星のことだったり。ただ、現時点では、その設定がどう噛んでくるのかちょっと謎ですが――
まぁ、しかしそこは一水ちゃんだから、きっと何とかするんでしょう。

ただ、残念ながらこの話、面白いけれどマルドゥックほどのパワーは感じないんだよな……多分、今年のランキングでも、これはそこそこ行くんだろうけど――『グラン・ヴァカンス』が今年完結したら、それにはきっと敵わないんだろうなと思います。面白いのになー。
個人的には、また二ヵ月おきのお楽しみができてvvv もっとも、その前に高瀬さんの『蒼虚の都 〈下〉』が出るんだけど……