何か、物故者多いなぁ……

今度はジャック・デリダですか……
と云っても、ほとんどの人は知らないだろう(同人系でデリダ読んでる人は少ないだろうな)、フランスの有名な哲学者。「フーコー・ドゥールーズ・デリダ」と並び称される、超難解な言説を操るひとです。
私も読んだことがあるわけじゃないのですが(ウィトゲンシュタインの名前だけ知ってるようなもん)、昨今の哲学界の中心的人物だったので、なんと云うか……いきなりな感じが、どうにも。日本で云えば、柄谷行人が亡くなったって感じ? もっと小粒ですがね。
しかしまぁ、本当に一時代が終わったんだなぁ、今年……

そして、一ヶ月遅れでやっと出た『物語消滅論』(角川one theme21)by大塚英志。延びたから、「もしや、また編集部と揉めたんじゃ……」と心配してしまった私は、大塚の評論が大好きです。
つか、この人真面目だよな……漫画原作とか、ライトノベルスとか書いてるから、評論系での評価はイマイチ低い気がしてならないのですが、仕事としては、福田和也と同列以上だと思うんだけどなぁ。
今回の評論も、非常に真摯だし、佐世保の事件の考察とか、『あっちこっちピンキーストリート』(知ってます?)とかの話題があったりして、非常に時代にコミットしてるなぁと。佐世保の件なんか、これ書くために一ヶ月遅らしたんじゃ、と思ったりしましたし。
そして、〈文学〉を愛してるんだなぁ、この人は……でも、大塚英志が云うような〈文学〉ってのは、最早文芸誌には載ってないと思うんだけどね。電撃文庫とかの中に、ひっそりと紛れてるような気がしてなりません。つか、文芸誌読む気しないし。先月の『すばる』は、パッセの先生の話が載ってたから買ったけど。
でも、芥川とヘッセとロレンスが好きな自分的には、ああいう〈文学〉はあって欲しいですね。今の文学は好きじゃないけど。
求む、新たな文学者――是非とも、後世に残るような天才をひとつ。

もう一冊は『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』(新潮新書)by黒川伊保子
確かにタイトルどおりなので、面白そうと思って買いました――面白かったよ!
普段、我々がfeelingでつけてる名前の“語感”を、詳しく調べてあります。
例えば、「久住恭子」はKの音が多く、乾いて尖った、スピード感のある音なのだそうで。だから、私、「webでは怖キャラだよね」と云われるのね……で、「門馬」はM音で、丸さ、やわらかさ、曖昧さのある音――それで、マルの画像を門馬だと云う人がいるんだな! 丸くてアヤシイ生き物みたいなんだ、名前が!
……ということがわかるわけです(笑)。
ちなみに、これのもとネタみたいな『ネーミングの極意』(ちくま新書)という本もあって、こっちはもっと科学的な根拠が示されていますが、『怪獣の〜』の方が読みやすいと思います。お勧め。

あああ、『Hyper Hybrid Organization 00-02』が出たのに、感想書いてないよ……
明日orガンガンネタバレの後にでも……とりあえず面白かったよ〜