何か、評論ばっかり

読んでる気がする今日この頃。でも、フツーの小説面白いのないんだもん(って云うと、新本格とか新々本格とか勧めてくれるひとがいるけど――そういうんじゃなくて! って云うか)。
「文学」が読みたいんだよね、ちゃんとした文学、ちゃんとした物語が。
そういう意味では、金谷ひとみではなく、綿矢りさの方が文学かな? とも思う(中島梓は、金谷ひとみの方が好きだそうだが……あのひとエンタメ系だしね)。だからと云って、綿矢が好きなわけでは決してないのですが。

でもって、仕方がないので、割と評論とかそっち系ばっかになる……
で、今回は『批評の事情』by永江朗(ちくま文庫)。こないだの朝日の書評(「カジュアル読書」)で取り上げられてたのですが。

面白かった! サブタイトル「不良のための論壇案内」ですが、“論壇”と云っても、リリー・フランキーかづきれいこが載ってたりして、普通の“論壇”とはちょっと違う。
もちろん、宮台とか福田和也とか小谷真理とか森本卓郎とかも載ってるんですが、オタキング岡田斗司夫とかも載ってる。
元々、大塚英志のことが書いてあるというので、ちょっと見てみるか程度だったのですが、うん、これは面白かった。ただ、取り上げられてる評論家がわかんないと面白くないだろうけど(当たり前)。

そして、やっぱり斉藤環は読んでみたいなぁと思いました。この人は、昔、エヴァ全盛期に『戦闘美少女の精神分析』という本を出していて、それがかなり気になったので。
あと、斉藤美奈子。『文章読本さん江』や『文学的商品学』が面白かったので、いまさらながら『妊娠小説』と『紅一点論』(両方とも文庫になってるから)を読んでみようと思いました。あと、自社刊行物ね。割引率も上がるからな(にやり)。

で、同じコーナーで取り上げられてた大塚の『江藤淳と少女フェミニズム的戦後』(筑摩学芸文庫)は、発売日に買って、ソッコー読みました。まぁ、いつもと同じ論調なんだけど、やっぱりわりと好きなんだと思う――微妙に引っかかりを覚える部分もあるんだけど、そこら辺がこのひとの評論を読む意義(ってのは大袈裟?)でもあるんだし。
でも、いつもながら大上段ではないフェミニズムの話で、これはこれで面白かったです。

って、あああ、H.H.O.の感想……