江藤淳ってスゴイ!

……と、真剣に思ってしまった。
いや、凄いひとだったんだなぁ。亡くなって五年経ってから、ようやく読んだような私ですが、なるほど、これなら、あの時の報道の大きさも納得です。
斉藤美奈子とか読んでる場合じゃないかも。

大塚英志の続きを読まずに、唐突に『江藤淳コレクション』3,4をGET。いや、たまたま入荷したのを目にしてしまったので。で、社販で買って(だって税抜一冊\1,500-なんだよ……)即読み始め。

えーと、大塚評で、ある程度は予想してたんだけど、不思議な感性のひとだなぁ、つうか、わりと女性的な感受性のひとだと思いました。まだそんな読んでないんだけど、最初の「マンスフィールド覚書」なんか、女性の書いた評論だと云ってもとおりそうだ。Nervousなんですよねぇ、マンスフィールドに対する感覚が。死に捕らえられた女性の精神に対する共鳴が、と云うか。
これだけ読んでいると、大塚の方がよっぽど男性的に思える(しかし、大塚も必ずしも男性的感性の持ち主というわけではないのですが)から不思議。

そして、「奴隷の思想を排す」「作家は行動する(抄)」「青春の荒廃について」は、真剣に今の、リアルタイムの評論と思って読んでも違和感がないです(しかし、この三篇はそれぞれ'57、'59、'62の初出)。凄い。特に「奴隷の思想を排す」は一読の価値あり、つか文字書き志望者には是非読んで戴きたい。「作家は行動する(抄)」もね。
結構、今の文壇に君臨してる(してるんだろうなぁ)大江健三郎とか、石原慎太郎とか(まぁ、芥川賞の選考委員だしね)、めった斬り。しかも、それが説得力があるというか、文学の根源的なところを語ってて、すごく勉強になるというか。
現実と文学の関わりについて、これほど真摯に考察している評論というのは初めてかも。大塚英志より全然真剣勝負だ――ましてや、他の評論家の、言葉遊びにも似た論評とは大違い。
ちょっと圧倒されてます。
まだ、3の半分くらいしか読んでないのですが、これはちゃんといろいろ読みたいかも、抄録とかじゃなくて。

で、斉藤環はまだ手をつけてません。大塚の『サブカルチャー文学論』も、三島まで読み終わったくらい。

そういえば、斉藤美奈子呉智英が参加する〈日本一怖い〉書評本of 2004が出るらしい――版元どこか忘れましたが。どうも、あんまり呉智英が好きではないので、買わないんだろうなぁ自分、と思いながらチラシ見てました。
そういや、『ライトノベル完全読本2』も出るらしい――それはともかく、『このライトノベルがすごい!』を宝島がやるらしいのですが、ベスト20の中に、自分が面白いと思ったものは一作も入っておらず。興味ないのばかりが入ってました。つうか、いつも思うんだけど、『このミス』とかの評価ってさ……どうなの、マジ。あれ面白いの? 表紙見ても燃えねぇ本ばっかランキングなんだよな――まぁ、新本格や新々本格がさっぱりわからねぇあたしには、基本的にダメなのかも知れませんが……