12日ですが、

毎月恒例ガンガンネタバレ、ではありません。
どうも、かなり先月のアレがキてるらしい――今月は、発売日すら失念しているこの体たらく。
つか、真剣に雑誌を買う気力が萎えたので、単行本待ちで。つっても、来月10巻発売なのに、ラインナップで見落としてる段階で、すでにどうなの。話は書くけど(書きたいし、あそこまで書いてるからな)、まぁ、そんなカンジになっちゃいそうです。あーあ。




で。
同じ道を辿りそうなのが、『でたまか』最新刊、漆黒無明篇。アウトニア王国人類戦記録3 でたまか漆黒無明篇 (角川スニーカー文庫)
今回はね――正直、ややどうなのとは思った。人類共通の敵(ザナックス)云々はともかくとして――何かこれ、一歩間違うと、「“人間”じゃないなら滅ぼしてもいい」的言説になりかねない展開だなぁとか思ったりして。こないだ、『ラーゼフォン』(神林長平 徳間デュアル文庫)を読み返したせいかもしれませんが。
人間の姿をしていなくて、現在の人類と意思の疎通が出来ない=人間ではない、はともかくとして、それで即排除するために戦って良いってことにしていいのか、ちょっと考えてみませんかってカンジが。
勿論、征服されて、人類が死滅しかけているという状況であれば、そんなこと云ってるヒマはないでしょうが、ただ、うーん、これまでのマイドの戦い方から考えると、それはありなの、とは思っちゃいますね。それは、所詮は人間のエゴイズムとしてのヒューマニズムでしかないのかな、とか。
でも、ちょっと考えると、そこから「有色人種(乃至はユダヤ人)は“人間”ではないから殺して良い」は、そんなに距離がないんじゃないの、とも思ったりするし。
考えすぎかなぁ。でも、ちょっと昨今のいろんな何かが、こんなところにも顔を出しているのかなぁと思っちゃうんですが。考えすぎなら良いんですけどね。
ともかく、今の「人類戦記録」は好きじゃない。次が完結巻(外伝は他にあるらしいけど)だそうなので、私が「やられた!」と思うような結末に、是非していただきたいものでございます。

それに絡んで、というわけではないのですが。
うっかり買ってしまいましたよ、『広告批評』二、三月合併号。特集は「日本国憲法第9条」、大塚英志が、高橋源一郎池澤夏樹と対談してるという。
うん、これは面白かった。高橋源一郎は、個人的にそんなに好きじゃないんだけど、それでもこういう発言が出来るところはやっぱり尊敬すべきだなぁと思いました。
池澤夏樹は――何となく、沖縄系のひと(何でだ)というイメージだったのですが、うん、ちゃんとしてるよなぁ。
この雑誌(っても、大手取次は通ってないから、扱いのある店は限られてるんだろうなぁ)は良かった。つぅか、広告系のひとたちも、こういうこと考えてるんだなぁというのが、心強い、ってのはヘンな云い方かも知れませんが。
他にも、憲法に関するアンケート(68人が回答)が載ってて、そのメンツがまた中々で(赤瀬川源平とか、安野光雅とか、鶴見俊輔とか森毅とか、かと思えばしまおまほ辛酸なめ子とかも回答してたり)。
いろいろ考える意味でも、読んで欲しい一冊です。




で、最後は萌え。萌えと云っても、アキバ系やら何やらではなく。
『天使』by佐藤亜紀、文春文庫。天使 (文春文庫)
何が萌えって、顧問官が……! 「白貂を思わせる」というこのひとの雰囲気が、どうにも好みで♥ 正直に云いますが、新聞広告で気になったのは確かですが、背中を押したのは、顧問官のキャラでしたよ! ええ! この人がいなかったら、この本買ったかどうかわかんない。ち、ちなみに、ジェルジュ×顧問官……大きな声では云えませんが(汗)。腐ってますか。腐ってますね。
続編も出ている(『雲雀』)ようなのですが、ハードカバーのまま買うか、文庫落ちを待つか、悩みどころでございます。
しかし、佐藤亜紀って、ちょっと文章が読みにくいのか? 驚異の速読術なこの私が、読み終わるのに2日かかりましたよ。まぁいいんだけど。
正直、この人の他の話にもそそられないので(そんなんばっかですな)、『雲雀』に顧問官が出てこなかったら、この人とはそれで終わりかも、という気がしてしまいます。
まぁ、『天使』は文庫落ちまで1年ちょっとだったので、『雲雀』は来年の秋以降かな、とか何とか。
じっくり待ちますよ、じっくりね。




次は……今月、他なんかあったかな……