8月ですし、

戦後60年だからってわけでもないけど、今回の一冊目は『憲法力』by大塚英志(角川Oneテーマ21)。憲法力―いかに政治のことばを取り戻すか (角川oneテーマ21)
実はうっかりチェック洩れしてまして、買ったのは昨日の朝日の書評に載るというのを知ってから(なので木曜日)でした――7月の新刊らしいんですが(汗)。つか、7月のN販の新刊一覧表(月初の週報についてくるやつ)には載ってなかったよね? 相変わらず、直前になって突っこんでくるなぁ……って、どっかに記載されてたならすみません。
で、内容なんですが。
えーとこれは、この人のやってる、例の憲法前文を書く運動の3冊目の本『読む。書く。護る。』の書き下ろし原稿に加筆したもの+語り下ろしなのだそうで、えーと、憲法関連のは実は読んでない(角川だから、文庫待ちで)ので、全部初めて読みました。
まぁ、内容的にはいつもの大塚なのですが。
個人的に、結構頷いたこととかあってねー……あの、例の改憲派のみなさん(N村某とか、T村某とか、I原某とか、etc.)がいつも云う、「アメリカに協調するために、押し付けられた憲法を改正しよう」って、何じゃそりゃ、ってのがね。やっぱ思うよね、フツーね、ってカンジで、ええもぉう。つか、お前ら、自分がトシで戦争行かないってわかってるから、安易に“武力を持とう”とか抜かしやがるんだろコラ、って気分でいっぱいになります。
こないだの論壇時評(何日だっけ……朝日夕刊)じゃないけど、「感情的な」(本当は、もっと違う表現だったんですが)改憲論ばかりが先行してて、ごく真っ当な考え方で九条とかを検討してるんじゃないんだもん。ああ、S井よし子とかね! センチメンタル? ナーヴァス? 何でもいいけど、理論的ではないよ。今の靖国問題もそうだけど。つか、何で神社じゃなきゃならんのだ、信教の自由が憲法にある国の戦没者追悼施設が。つか、全人口の多数って云うなら、仏教だろ! 宗派はわからんけど。まぁおいとくとして。
つか、昨今の政治屋及びその周辺の人々(政治評論家とやら、ジャーナリストとやら)の矛盾と欺瞞に満ちた言説には、真剣に呆れるしかないのですが。アッタマ悪すぎだよ。マジで。
ともかく、真剣に、いろんな意味でこの本は読んで欲しいかも。大塚のオタクっぷり(露悪的、に近いニュアンスでの)に辟易される向きもあるかとは思いますが、それでも読んで欲しいですね、自分たちの将来を考える意味でも。
個人的には、第十章の「第九条は文学の問題である」に頷くところあり。そーか、それで最近の小説つまんねーんだ、って云う。
言葉を信じること、政治家答弁的本音と建前の使い分けではなく、生の、荒々しい、心の底からの叫びを信じること。言葉がそれを媒介して、誰かに届くと信じること、それ以外に、今の文学の衰退を救う手段はないのだと思います。喩えそれが、どれほど偽善者っぽく、また泥臭く青臭いことだとしても――信じていない言葉を使って、一体何が可能なのか。伝わらない言葉で何かを書くことに、一体何の意味があると云うのか。
ああ、私は露悪は嫌いじゃありませんが、でも言葉は信じてますよ。そうでなきゃ、誰が小説なんか書くものか。伝えたいからに決まってる、そして読むのは知りたいからに。
こういう態度が、昨今憐憫と失笑とで迎えられがちなのは承知していますが、ああ、そんなものはくそくらえだ、世界を動かすのは、お前たちではない


さて次。
シュミです、阿呆なシュミ。
ドラゴンクエストⅧのあるきかた』スクウェア・エニックスドラゴンクエストVIIIのあるきかた (ゲームガイド)
DQ8は2周目(マルチェロ・クエスト/笑)中だし、公式ガイドは上下巻とも買っちゃったし、どうしようかなぁと思っていたのですが、いや、面白かったですよ!
何だこの、くっだらねぇ(と云っちゃいかんな)ネタの集大成! つか、町で会う人々の人口調査とか、真剣にやってるよ、この人たち! あと、移動手段別の速度推定とか、教会組織のあれこれとか、全大陸の生態系の話とか!
ちょっと、『ダイアナ・ウィン・ジョーンズファンタジーランド観光ガイド』(東洋書林……ついでだから、これも画像出しとくか)ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイドを思い出しました(笑)。「……世界中で動物が魔物化し、その結果絶滅に繋がったようだ。……」って、似たようなフレーズあったよね!
あと、(DQ8)世界中の本の冊数数えたらしい、このスタッフ。そして、読める本の冊数と、その内容も……
『ファイア・エムブレムのあるきかた』買った友人が、「あんまり〜」とか云ってたのですが、こっちは面白いらしい。私は面白かった。
まぁ、¥1,300-払える人は、是非読んで欲しいですね。何気に、二次創作系の人にはネタ本になっていいんじゃないかしら。ただ、大きな町でも50人くらいしかいないことになっているので、厳密にはアレな感じですが(笑)。
しかし、この本のためにゲームをやったスタッフ、発狂しそうじゃなかったですか――Lv.99だけならまだしも、こんな重箱の隅まで……
個人的に、項目ごとについてるカットのククールが笑えました。そうか、男の目から見たククールって、こんなヤツだよな〜、って云う(笑)。


さて、ちょっと早く9月の新刊ラインナップをもらいました(仕入で余ったのをくれた――まだ売場には来てない)のですが。
いよいよ『大奥 1』(よしながふみ 26日だったはず)ですよ! 今度は電波じゃないよ! ひゃっほぅ!
しかし、それ以外は大したものは……あ、『DEATH NOTE』、8巻でどれだけ購読者が減るかは非常に気になりますね。
あと、『スピードグラファー 2』が下旬予定、『でたまか』最終巻は月初で。
これくらいかな……


あと、今の『ダ・ヴィンチ』が「ライトノベル読者はバカなのか?」という特集でしたね。
つかもうさぁ、ラノベ持ち上げるの止めようよ。ラノベに期待した時期は終わった。今は、普通の小説系に行った元ラノベ作家に期待(その人の書いたラノベにも)。
でも、西尾維新とかは絶対読まない。あれは「頽廃的都会文士」(byクレッチュマー)の類なんだと思いますわ――『ファウスト』系の作家とかもね。
とりあえず、ヘッセの『知と愛』で萌えておく。すっげぇ萌えなので(そしていわゆる“名作”なので)読んでみて戴きたいですね――新潮文庫です。ふふ。