いつもいつも変なラインナップなのですが。

今回もまた。


まずは、雑誌『群像』10月号。何故か評論特集の中に、桜坂洋の名前があった(もちろん、批評の対象として、なおかつ平山瑞穂(知らない)、山崎ナオコーラと同じ文脈らしい)のと、興味はあるが買う気はしない保坂和志と、石川忠司の対談があったので。
……評論はねー、正直云って、良くわからなかった。ついでに(評者違いますが)佐藤友哉論も読んだのですが、さらに良くわからなかった。かと云って、保坂×石川対談が腑に落ちたかと云うと、まったく落ちやしなかったのですが。
つーか何、文学畑の人たちって、こんないろいろひねくり回さないと話書けないの? それとも何、あれは文芸誌に合わせてのポーズなの? ちっともわかんない。
つーか、こんなこと考えてるから、現代文学ってつまんねーんだよ! と、只今読むべきジャンルがなくなりつつある私なんかは、そんな風に思っちゃいましたよ。
つか、石川氏が、対談の中で「現代小説の方が古典よりもレベルが高いと思ってる」って云うのは――そうか? そうなのか?
でもさぁ、つまんないから文芸誌が売れなくて、その代わりにラノベが売れるんじゃないの? わかりにくいこと=良いもの、に現代文学がなりつつあるから、わかりやすいもの=ラノベ、が売れるんでしょうが。まぁ、そんなこと云ったら、ラノベ小泉政権と同じようなものだって云うことになっちゃうけどね!(笑) すげぇ三段論法(笑)。
正直に云えば、やっぱり芥川の短編は美しいし、シェイクスピアの戯曲はドラマティックだし、ヘッセやロマン・ロランの物語は未だに救いを与えてくれるのですが。
それに該当するような現代小説って、まだ出てないよね。つーか、現代作家で後世に残りそうなのって、W村上とばななくらいじゃん? しかも、あんまり大きくは残らなさそうな、戦前で云うなら、尾崎紅葉とか荷風とか(まぁ、国内ではネームバリューあるけどさ)くらいにしかならないんじゃないのかなぁ。
まぁ、『群像』買うのも今回だけだね。それくらいなら、『現代思想』や『ユリイカ』の方が楽しいよ。


次。
実は只今、職場で早川書房60周年とか云って、フェアを開催しているのですが。
ビンボービンボー云いながら、サイン本があったので、つい買ってしまいましたよ、ディック・フランシス……! 文庫全巻持ってるのに……!
だって、だってレアじゃん、フランシス! 文庫のI係長は、「あれ、こないだ死んだよな?」とか(それはマクベインです!)めっちゃ間違えてくれましたが。
他にも、末見とか、トリィ・ヘイデンとかダニエル・キイスとか、小川一水とか牧野修とかのサイン本もあって、これはこれで迷いました。が、冲方と仁木さんのはなかったので、おとなしくフランシスのみで。


そして、これに合わせて、リバイバル復刊が……!
昔、古本屋を駆けずり回って集めたジーン・ウルフ新しい太陽の書』四部作拷問者の影 (ハヤカワ文庫SF―新しい太陽の書)も復刊で、血反吐。まぁ、20年近く経ってるので、お値段は¥200-ほど上がってましたが(苦笑)、しかし、集まるまでにかけた労力は、¥200-×4ではきかないはずだ……! いいんだけどね、もう。
しかし、これをきっかけに、『新しい〜』の未訳の続編、刊行されないかなぁ。どうなんでしょう、早川さん。
あ、あと、同じリバイバル作品で、『ビバ! ドラゴン』というFTアンソロジービバ!ドラゴン―ファンタジイ傑作集2 (ハヤカワ文庫 FT 28)を買ってみました。とりあえず、『オズの魔法使い』のL.フランク・ボームのムラサキ・ドラゴン2部作(?)だけ読みましたが、面白いよ! 他に、ロバート・ブロックやG.K.チェスタトーンなんかの推理畑の大御所の作品が載ってて、これはこれで面白そう。興味のある方は、今なら大きい書店には並んでると思うので、ご一読あれ。


あと、今月のちくま学芸文庫の新刊『フラジャイル』(松岡正剛)が面白そうなので、うっかり買っちゃいました。弱さや欠損の魅力と云うか、強さと云うか、についての考察。
案の定、参考文献のところに網野善彦赤坂憲雄、あと、E.M.シオラン(好き♥)への言及があったりしたので、同じ穴の狢系らしいです。
とりあえず、1章目を読んでる段階で、もう結構好きだ、この人。
今書いてる二次創作あたりにも活用できそうだけど、とりあえずは純粋に興味だけで。わー、"欠けた王"とか、気になるよ〜!


えーと、高瀬さんの幻水は読んだのですが、ちょっと今の段階では感想書きづらい――水滸伝って、短く書くの難しいよね、ってことで、後半出てから書こうかな。


と云うわけで、次は21日予定(?)の『スピードグラファー 2』、あるいはその後の『大奥 1』で。