さてさて。

二ヶ月ぶりですが、まぁ、ここを定期的に見てる人はいないだろうからな……


さて。


最近は特に買った本がない――わけじゃないけど、新刊ラッシュは来月なので、今回は、買い揃えたレオナルド・ダ・ヴィンチ関連の漫画に関して、ちょこちょこと。


まずは綺麗どころから。
さいとうちほ『花冠のマドンナ』(小学館文庫、全4巻)花冠のマドンナ (1) (小学館文庫)
ダ・ヴィンチ先生が描いたと云う「花冠のマドンナ」を巡って繰り広げられる、歴史ファンタジー
先生が美形! で、性格は悪いな! サライがちょこっと出てきますが、ちゃんと画家の助手の仕事をしててびっくりです(笑)。ラファエッロくんもちょろりと。
まぁ、でもこの話は、ヒーローその二のチェーザレ・ボルジアがカッコいいので、それで終わらせてもいいような気が(笑)。


次。
同じくヴァレンティーノ公絡みで、川原泉『バビロンまで何マイル?』(白泉社文庫)バビロンまで何マイル? (白泉社文庫)
説明するまでもないくらい有名なお話だと思いますが、迷い込み系歴史ファンタジー? と云うか。
チェーザレとルクレッツィアさんメインなので、まぁ先生はちらりとね。
割と温厚そうだが、ややボケ気味なところは、“そーねー”と思わなくもない、かな。
個人的には、チェーザレの性格が、何かちょっとイメージと違うので、うーむなのですが。って日本語書けや。


只今文庫刊行中の松本零士『天使の時空船』(中公文庫、全6巻予定)天使の時空船―レオナルド・ダ・ヴィンチの伝説 (1) (中公文庫―コミック版 (Cま1-1))
まぁ、“松本零士だなぁ”と云うか……いきなりSFだしね。
うん、多分時代考証は結構してるんだと思うのですが、そのSFテイストが、すべてをちゃらにしているような――まぁ、これは松本零士サーガの一環として読むのが正しいんだろうなぁ。
純粋に松本零士ワールドだと思って読むと面白いです。


異色! かわぐちかいじの『COCORO〈心〉』(白泉社文庫、1〜2巻)COCORO〈心〉 (第1巻) (白泉社文庫)
かわぐちかいじで海外もの、と云うだけでもびっくり(『沈艦』や『ジパング』のイメージが強いもので)ですが、それがレオナルド・ダ・ヴィンチ
やぁ、まぁ面白いですよ。ロレンツォ・イル・マニフィコには、先生あんまり重用されてなかったけどね!(笑) ボッティチェルリとかがローマへ派遣された時、先生一人だけミラノ行き、しかも音楽家として、だったけどね!
私はこの人の他の話は読んでないのですが、この先生は海江田(沈艦)に似てたりするのかな? 何か、2巻の巻末インタヴューに、そんなことが書いてあったんですけども。なんか、こんな奴いるわきゃねぇ的無垢な天才、みたいなんですけども。それともあれは、普通の人の目から見たらこうだと云う先生像なのかな?
ただ、この人の視線と云うのは、おそらく先生の絵画における野心を、ある意味正確に切り取っているような気がします。人間のすべてを絵に――まぁ、すげぇ野心だわね。でもまぁ、先生の絵っていうのは、そういうものかも。
それを読むためだけでも、この話は価値があると思います。
子供ミケちょい出。
ところで、これ、2巻の最後に“第一部おわり”って書いてあるんですけども、続き描くの? それで“全2巻”じゃないの? ……気長に待つ感じですのぅ。


最後。
六田登『ライオンは眠らない』(小学館てんとう虫コミックスSpecial)ライオンは眠らない (てんとう虫コミックススペシャル)。『小学五年生』掲載のダ・ヴィンチ話。
これ、小五には厳しくないか? 碌でもない(失礼)ギャグが、小五向きといえば向きなのですが、結構芸術論とかしっかりあるし、社会情勢なんかも結構描いてあるし――世界史がわかんないと、わかりづらいような気が……
しかし、その芸術論のあたりとかが、このお話を大人の鑑賞にも耐え得る話にしているような気もします。
つーか、ミケ! ミケランジェロが! 身長が結構ありそうですが(笑)、考えうる限りで一番リアルっぽいミケ! 可愛いですよ、ミケランジェロ! 「私の仕事は彫刻家だ!」って、あの局面で云うか! めちゃめちゃ、っぽい! ラファエッロくんは、これはこれでそれっぽく。
サライがガキんちょ。アンボワーズ時代なら、もう36だった(!)はずですが。しかし、これはこれで面白かったけどね!
先生は、このお話のが一番近いなーと思いました。
しかし、六田さんって、『F』のイメージが強かった(仕事の関係上)のですが、『ダッシュ勝平』もだったのねー!


ああ、面白かった!
やっぱり、青年誌系の漫画家さんは、画力がしっかりしてるなぁと思いました。
本当は、この他に『白のフィオレンティーナ』(戸川視友 冬水社)とかあったのですが、25冊も読む気力がないし、どっちかと云うとミケの方がでばってる上に、全然イメージと違うので、パス。


でもって、来月の新刊ラッシュは、ディック・フランシス『勝利』、週刊・冲方丁の『マルドゥック・ヴェロシティ』3冊と、金田一蓮十郎『ニコイチ』2巻、よしながふみ『大奥』2巻、船戸明里Under The Rose』4巻目、楠本まきの新作と前田とも『黒の太陽 銀の月』6巻、ひかわきょうこ『お伽もよう綾にしき』2巻、くらいかな。
あ、今日の書評で見た赤坂憲雄網野善彦関連の新書買わなきゃ。
そう云えば、こないだ神保町で買った羽仁五郎岩波新書『ミケルアンヂェロ』、アンコール復刊されてて、何となく悔しい……いや、安く買ってるんですが! 何だかね……


まぁいいや。
しかし、来月の欲しい本、みんな20日以降の発売とは、これいかに……


あ! 書き忘れてた!
花田一三六氏の『野を馳せる風のごとく』が、確かソフトバンクGA文庫から復刊されてますね! シリーズ名がちゃんとついて(!)、“戦塵外史”となってました。自分的には“大陸シリーズ”とか云ってたのですが。
何か、全三巻で、単行本未収録の短編も加えられるのだそうで――最初の一冊は買わないけど(スニーカー文庫版でもってるからね)、残り2冊は買わなくては!
つーか、そろそろ新作出してくださいよ、花田さん……
あと、この調子で、冲方の『黒い季節』も復刊されてくれないかなぁ……


それにしても、最近、好きな作家さんが再度脚光を浴びたりして嬉しいですね。
あとは――高瀬美恵さんが出てくれれば、もっと嬉しいんだけどなぁ……